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隊長
大変ですっ、親指から出血している模様であります
患部は爪の付け根より目測で約16㍉程。
いったん消毒を試みますが
あまりにもマキ■ンが沁みるというのであれば
水できれいに洗い流し、患部に絆創膏を貼る等の
処置を取らせて頂いても宜しいでしょうか
大至急、要請をお願いします
命綱の無線が繋がらない・・・もう駄目だ
『最後まで諦めるんじゃない、ジブンの力でやってみるんだ』
隊長の声が頭に響く。すぐさま脳に届く。
ずいぶんと酷い出血だ、患者は意識が朦朧としている。
事態は風雲急を告げている
私は思った・・・
「今日の晩御飯はレバニラ炒めにしやう」
Σ こんなことを今、考えてる場合じゃない

生命の危機に瀕した患者を差し置き
救急救命士の私は一体何を考えているのだ。
とはいえ、ろくに何も口にしていない今日この頃。
そのせいか貧血気味である。
血中酸素濃度まで低下してきた。おかげで彼氏にいびきがうるさいと言(ry
誰かこの私に輸血してくれないだろうか…


患部は爪の付け根より目測で約16㍉程。
いったん消毒を試みますが
あまりにもマキ■ンが沁みるというのであれば
水できれいに洗い流し、患部に絆創膏を貼る等の
処置を取らせて頂いても宜しいでしょうか

大至急、要請をお願いします

命綱の無線が繋がらない・・・もう駄目だ

『最後まで諦めるんじゃない、ジブンの力でやってみるんだ』
隊長の声が頭に響く。すぐさま脳に届く。
ずいぶんと酷い出血だ、患者は意識が朦朧としている。
事態は風雲急を告げている

私は思った・・・
「今日の晩御飯はレバニラ炒めにしやう」
Σ こんなことを今、考えてる場合じゃない



生命の危機に瀕した患者を差し置き
救急救命士の私は一体何を考えているのだ。
とはいえ、ろくに何も口にしていない今日この頃。
そのせいか貧血気味である。
血中酸素濃度まで低下してきた。おかげで彼氏にいびきがうるさいと言(ry
誰かこの私に輸血してくれないだろうか…
『一体どうなってるんだ、この島は・・・』
とあるオトコの徐に放った一言がすべてを物語る。
彼は若い頃から、海洋心理学を研究している。
いわばその世界の第一権威とも言うべき存在なのだ。
齢は定年過ぎにして、未だ独身。
結婚は自由を奪うものだからしたくない、と云う彼。
本当にそうなのだろうか。私には到底そのようには思えない。
しかし、今はそんなことはどうでもいい。
未知なる冒険に旅立つ記念の日と銘打ち一隻のゴムボートを漕ぎ出す。
無人島に辿り着いた主人公と研究員。
そう、彼はこれでも一応・・・大学の非常勤講師なのだ。
念の為に言っておくが、名誉教授という肩書きを持っている。
休みさえあれば、身を閉じ込め缶詰状態になる。
といっても、部屋の中でやってることはいつも同じなのだが・・・
彼は幼い頃から海が好きだった。
きっかけは両親に連れていってもらったという水族館。
そこで水槽の中を悠然と泳ぐ魚に目を奪われ、気付けばこの有様だ。
人間はそれぞれ歩む道が違うのだから
それもまた一つの生き方だろうと言ってしまえば、プツンと話は途切れてしまう。
だが、彼は愛していた。
無限大に広がる空、大いなる自然、そして見渡す限りの海。
彼がこよなく海を愛しているということはこれでわかったはずだろう。
とあるオトコの徐に放った一言がすべてを物語る。
彼は若い頃から、海洋心理学を研究している。
いわばその世界の第一権威とも言うべき存在なのだ。
齢は定年過ぎにして、未だ独身。
結婚は自由を奪うものだからしたくない、と云う彼。
本当にそうなのだろうか。私には到底そのようには思えない。
しかし、今はそんなことはどうでもいい。
未知なる冒険に旅立つ記念の日と銘打ち一隻のゴムボートを漕ぎ出す。
無人島に辿り着いた主人公と研究員。
そう、彼はこれでも一応・・・大学の非常勤講師なのだ。
念の為に言っておくが、名誉教授という肩書きを持っている。
休みさえあれば、身を閉じ込め缶詰状態になる。
といっても、部屋の中でやってることはいつも同じなのだが・・・
彼は幼い頃から海が好きだった。
きっかけは両親に連れていってもらったという水族館。
そこで水槽の中を悠然と泳ぐ魚に目を奪われ、気付けばこの有様だ。
人間はそれぞれ歩む道が違うのだから
それもまた一つの生き方だろうと言ってしまえば、プツンと話は途切れてしまう。
だが、彼は愛していた。
無限大に広がる空、大いなる自然、そして見渡す限りの海。
彼がこよなく海を愛しているということはこれでわかったはずだろう。
まだ夜も明けぬうちの出来事だった。
人影などない波打際、ただ波の音しか聞こえない波止場。
身をさすような冷たい風が吹き抜ける今宵
やけに強く。時折、唸るような轟音をなびかせて。
そして、暗闇を包む幕が上がる・・・
少し離れた魚市場では、早朝から恒例行事が執り行われている。
いつものように、活気に満ちた声が飛び交っていた。
各々(もしくは家庭)の生計を立てようと一年の半分以上
遠洋に出る漁師や船乗の数も多く、決して少ないわけではないのだ。
ふとした瞬間に、淡く儚い記憶が甦る・・・
どんなにそばに居ても、一緒になれない二人。
しかし、身体を幾度となく重ね合ったが故に一線を越えてしまった。
そこで二人は内緒で、親の中型船舶に乗り込んで
見果てぬ遥か彼方・・・安住の地を目指すことにする。
だが、その船はかなり年季が入っているばかりか
ろくに手入れのひとつ、油も効いてない有様
面舵の操作に慣れない若かりし青年は戸惑うばかりであった。
人影などない波打際、ただ波の音しか聞こえない波止場。
身をさすような冷たい風が吹き抜ける今宵
やけに強く。時折、唸るような轟音をなびかせて。
そして、暗闇を包む幕が上がる・・・
少し離れた魚市場では、早朝から恒例行事が執り行われている。
いつものように、活気に満ちた声が飛び交っていた。
各々(もしくは家庭)の生計を立てようと一年の半分以上
遠洋に出る漁師や船乗の数も多く、決して少ないわけではないのだ。
ふとした瞬間に、淡く儚い記憶が甦る・・・
どんなにそばに居ても、一緒になれない二人。
しかし、身体を幾度となく重ね合ったが故に一線を越えてしまった。
そこで二人は内緒で、親の中型船舶に乗り込んで
見果てぬ遥か彼方・・・安住の地を目指すことにする。
だが、その船はかなり年季が入っているばかりか
ろくに手入れのひとつ、油も効いてない有様
面舵の操作に慣れない若かりし青年は戸惑うばかりであった。