『一体どうなってるんだ、この島は・・・』
とあるオトコの徐に放った一言がすべてを物語る。
彼は若い頃から、海洋心理学を研究している。
いわばその世界の第一権威とも言うべき存在なのだ。
齢は定年過ぎにして、未だ独身。
結婚は自由を奪うものだからしたくない、と云う彼。
本当にそうなのだろうか。私には到底そのようには思えない。
しかし、今はそんなことはどうでもいい。
未知なる冒険に旅立つ記念の日と銘打ち一隻のゴムボートを漕ぎ出す。
無人島に辿り着いた主人公と研究員。
そう、彼はこれでも一応・・・大学の非常勤講師なのだ。
念の為に言っておくが、名誉教授という肩書きを持っている。
休みさえあれば、身を閉じ込め缶詰状態になる。
といっても、部屋の中でやってることはいつも同じなのだが・・・
彼は幼い頃から海が好きだった。
きっかけは両親に連れていってもらったという水族館。
そこで水槽の中を悠然と泳ぐ魚に目を奪われ、気付けばこの有様だ。
人間はそれぞれ歩む道が違うのだから
それもまた一つの生き方だろうと言ってしまえば、プツンと話は途切れてしまう。
だが、彼は愛していた。
無限大に広がる空、大いなる自然、そして見渡す限りの海。
彼がこよなく海を愛しているということはこれでわかったはずだろう。
とあるオトコの徐に放った一言がすべてを物語る。
彼は若い頃から、海洋心理学を研究している。
いわばその世界の第一権威とも言うべき存在なのだ。
齢は定年過ぎにして、未だ独身。
結婚は自由を奪うものだからしたくない、と云う彼。
本当にそうなのだろうか。私には到底そのようには思えない。
しかし、今はそんなことはどうでもいい。
未知なる冒険に旅立つ記念の日と銘打ち一隻のゴムボートを漕ぎ出す。
無人島に辿り着いた主人公と研究員。
そう、彼はこれでも一応・・・大学の非常勤講師なのだ。
念の為に言っておくが、名誉教授という肩書きを持っている。
休みさえあれば、身を閉じ込め缶詰状態になる。
といっても、部屋の中でやってることはいつも同じなのだが・・・
彼は幼い頃から海が好きだった。
きっかけは両親に連れていってもらったという水族館。
そこで水槽の中を悠然と泳ぐ魚に目を奪われ、気付けばこの有様だ。
人間はそれぞれ歩む道が違うのだから
それもまた一つの生き方だろうと言ってしまえば、プツンと話は途切れてしまう。
だが、彼は愛していた。
無限大に広がる空、大いなる自然、そして見渡す限りの海。
彼がこよなく海を愛しているということはこれでわかったはずだろう。
話を原点に戻そう。
『一体どうなってるんだ、この島は・・・』
次の瞬間、頭を抱えオトコはその場に蹲った。
地表は赤く、辺りに生えている草木は痩せ細り枯れてしまってるものさえ見受けられる。
それどころか、動物がなにやら言葉を発しているようだ。
聞いたことのない全く新しい言語だ。
研究員の一人が接触を試みる。手始めに日本語で挨拶をする。
「こんにちは、私たちは日本という国からやってきました」
当然のことながら、彼の口から出た日本語は
無情の如く動物たちの話し声に掻き消されてしまった。
次に、英語で他の研究員が自己紹介をやってみることにした。
「Hello, My name is Miyuki. Nice to meet you.」
駄目だ。輪に入れてもらえないどころか相手にもして貰えそうにない。
半ば諦めて、彼らがその場から撤退しようと決めたその時だった。
助教授が再び頭を抱え蹲っている。研究員が心配そうに駆け寄る。
「大丈夫ですか、教授?」
『なぁに、この私に心配など無用。持病の偏頭痛だ。一過性のものだからすぐ治るさ』
彼がそう言うと、緊張の輪がとけたのか研究員たちは胸を撫で下ろした。
だが、助教授が蹲った本当の理由は他に存在していた。
無人島は最初にこの地を踏んだ一人の大学助教授により、その瞬間に無人島ではなくなってしまったというわけだったのだ。
『一体どうなってるんだ、この島は・・・』
次の瞬間、頭を抱えオトコはその場に蹲った。
地表は赤く、辺りに生えている草木は痩せ細り枯れてしまってるものさえ見受けられる。
それどころか、動物がなにやら言葉を発しているようだ。
聞いたことのない全く新しい言語だ。
研究員の一人が接触を試みる。手始めに日本語で挨拶をする。
「こんにちは、私たちは日本という国からやってきました」
当然のことながら、彼の口から出た日本語は
無情の如く動物たちの話し声に掻き消されてしまった。
次に、英語で他の研究員が自己紹介をやってみることにした。
「Hello, My name is Miyuki. Nice to meet you.」
駄目だ。輪に入れてもらえないどころか相手にもして貰えそうにない。
半ば諦めて、彼らがその場から撤退しようと決めたその時だった。
助教授が再び頭を抱え蹲っている。研究員が心配そうに駆け寄る。
「大丈夫ですか、教授?」
『なぁに、この私に心配など無用。持病の偏頭痛だ。一過性のものだからすぐ治るさ』
彼がそう言うと、緊張の輪がとけたのか研究員たちは胸を撫で下ろした。
だが、助教授が蹲った本当の理由は他に存在していた。
無人島は最初にこの地を踏んだ一人の大学助教授により、その瞬間に無人島ではなくなってしまったというわけだったのだ。
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